*
「おい、どこ行ってたんだよ」
化粧室から戻ると、国島さんが私たちを探し回っていた。
どうやら、三笠くんが呼ばれて舞台裏に戻ったときに私たちの不在に気が付いた模様。
端正な顔が歪んでいて、仕事中ならすっごい怖いって思うのに、今はなんだかほっとするな。
心配してくれたってのが分かるからかしら。
「女にもいろいろ準備があるのです」
「便所か」
「そうはっきり言わなーい!」
ど付き合いをする私と国島さん。
思えば、この人も三笠くんとは質が違うけど、結構なイケメンなんだよな。
でも、違う世界の人という感覚は今はなく、手を伸ばせば触れるという確信がある。
いつの間に私の世界は変わったんだろう。
二次元が最高なのは変わらないけど、三次元に……というよりは国島さんのそばに、確かに自分の居場所を感じられるようになった気がする。
「ったく、早くしないと席が埋まるぞ」
「そう怒らないでくださいよ」
先を歩き出した国島さんに、軽く舌を見せながらついていくと、隣を歩く明日美が私に小さな声で耳打ちした。
「八重ちゃんと国島さん仲いいね、良かった」
「仲いい?」
「うん。なんかとっても自然」
そんな風に明日美に言われちゃったらなんか照れくさいというか。……でも嬉しいかな。初めてリア充という状態になったけれど、自然に幸せオーラは出ちゃうものなのね。
今まで、世の中のリア充ウザいわって思っていたけど、反省するよ。
あれは意図的にやってるわけじゃなかったんだね。
「おい、どこ行ってたんだよ」
化粧室から戻ると、国島さんが私たちを探し回っていた。
どうやら、三笠くんが呼ばれて舞台裏に戻ったときに私たちの不在に気が付いた模様。
端正な顔が歪んでいて、仕事中ならすっごい怖いって思うのに、今はなんだかほっとするな。
心配してくれたってのが分かるからかしら。
「女にもいろいろ準備があるのです」
「便所か」
「そうはっきり言わなーい!」
ど付き合いをする私と国島さん。
思えば、この人も三笠くんとは質が違うけど、結構なイケメンなんだよな。
でも、違う世界の人という感覚は今はなく、手を伸ばせば触れるという確信がある。
いつの間に私の世界は変わったんだろう。
二次元が最高なのは変わらないけど、三次元に……というよりは国島さんのそばに、確かに自分の居場所を感じられるようになった気がする。
「ったく、早くしないと席が埋まるぞ」
「そう怒らないでくださいよ」
先を歩き出した国島さんに、軽く舌を見せながらついていくと、隣を歩く明日美が私に小さな声で耳打ちした。
「八重ちゃんと国島さん仲いいね、良かった」
「仲いい?」
「うん。なんかとっても自然」
そんな風に明日美に言われちゃったらなんか照れくさいというか。……でも嬉しいかな。初めてリア充という状態になったけれど、自然に幸せオーラは出ちゃうものなのね。
今まで、世の中のリア充ウザいわって思っていたけど、反省するよ。
あれは意図的にやってるわけじゃなかったんだね。



