「本当に俺じゃない……」
さっきよりも勢いはなかったけど、先輩のテンションは低いまま。
俺じゃないということは、そんな事件は本当にあったということになる。
そして高木先輩は、その事件を知ってる。
私が黙っていたら、まだ疑っていると思われたらしく、
「……兄貴だ…」
先輩が言った。
「お兄さんがいたんですか?」
「あぁ。弟もな」
「そうなんですか……」
何に対する「そうなんですか」か分からなかったけど、そんな言葉しか出てこなかった。
「言うなよ」
「はい。言いません」
私が頷くと先輩は納得したようで、しばらくはお互い何も話さないで歩いた。
そして橋の下の人目のないところまで行くと、抱きしめられて、キスをした。
でもさっきの市原先輩とのやりとりを聞いていたから、キスするために一緒に帰ってるのかと疑ってしまう。
もしかして付き合ったのも、体が目当てとか
それはないだろうって思ったけど、どうしても聞きたくなった。
「先輩。先輩は、どうして私なんですか?」
「……処女だから」
そう言って、大声で笑い出す高木先輩。
力いっぱい先輩の胸を押して、その腕の中から逃げようとした。
けど、先輩が離してくれない。
「冗談だよ。分かれよ」
「冗談なんですか?」
「そんな理由な訳ないだろ」
それでも先輩は嬉しそうに笑っている。
「じゃ、なんでですか?」
「さぁな。まぁ、強いて言うなら、あん時、俺のものって思ったからかな…」
「コクリバで、ですか?」
「そう」
そう言うと、先輩は私の頬を撫でた。
私がビクッと反応すると、先輩は艶めかしく微笑んで言った。
「俺のもの……」
再び唇が重なった。
さっきよりも勢いはなかったけど、先輩のテンションは低いまま。
俺じゃないということは、そんな事件は本当にあったということになる。
そして高木先輩は、その事件を知ってる。
私が黙っていたら、まだ疑っていると思われたらしく、
「……兄貴だ…」
先輩が言った。
「お兄さんがいたんですか?」
「あぁ。弟もな」
「そうなんですか……」
何に対する「そうなんですか」か分からなかったけど、そんな言葉しか出てこなかった。
「言うなよ」
「はい。言いません」
私が頷くと先輩は納得したようで、しばらくはお互い何も話さないで歩いた。
そして橋の下の人目のないところまで行くと、抱きしめられて、キスをした。
でもさっきの市原先輩とのやりとりを聞いていたから、キスするために一緒に帰ってるのかと疑ってしまう。
もしかして付き合ったのも、体が目当てとか
それはないだろうって思ったけど、どうしても聞きたくなった。
「先輩。先輩は、どうして私なんですか?」
「……処女だから」
そう言って、大声で笑い出す高木先輩。
力いっぱい先輩の胸を押して、その腕の中から逃げようとした。
けど、先輩が離してくれない。
「冗談だよ。分かれよ」
「冗談なんですか?」
「そんな理由な訳ないだろ」
それでも先輩は嬉しそうに笑っている。
「じゃ、なんでですか?」
「さぁな。まぁ、強いて言うなら、あん時、俺のものって思ったからかな…」
「コクリバで、ですか?」
「そう」
そう言うと、先輩は私の頬を撫でた。
私がビクッと反応すると、先輩は艶めかしく微笑んで言った。
「俺のもの……」
再び唇が重なった。

