昨日と同じ場所に行くと、応援団の数が増えているように感じた。

「次は去年、インターハイに出たとこ。事実上の決勝戦だな」

OB軍団がそう説明してくれた。

確かに相手チームは全員の背が高く、高校生には見えなかった。
強豪校の名をほしいままにしているらしい。

だけど、先輩が負ける訳ない。

高木先輩はもうジャージを脱いでアップしている。
その顔は昨日部屋に来た時とは別人のようで、切れ長の目が更に鋭くなってる。
かなり集中しているんだって分かった。


笛が鳴り、試合が始まる。

白熱した試合が繰り広げられる四角いコート。

応援席の声も大きくなる。

全員の目つきが険しくて、高木先輩も何度も何度もシュートを決めた。


そして、勝った。


割れんばかりの声援で耳が痛いし、近くには泣いてるOBもいる。

私たちも手を取り合って喜んだ。

先輩たちバスケ部の選手が、応援席に向かって整列して頭を下げると、更に大きな歓声が起こる。

本当に嬉しそうで、みんな最高の笑顔。

高木先輩も、左の拳を突き上げて応援席にアピールしている。

また鳴り響く歓声。
その中には黄色い声援も混じっていた。