しばらくは高木先輩との余韻に浸っていたけど、いくら待ってもともちゃんどころか絢香も帰ってこない。
オサムッチが来てるんならいいんだけど……
部屋を抜け出して、1階まで降りてみた。
薄暗くなったロビーにはフロントの人がいるだけ、自動ドアに近づくと思いのほか大きな音を立てて外に出ることになった。
ひんやりした外気がまとわりつく。
「奈々……」
声のした方を振り向けば、右手の植え込みに腰を掛けた絢香。
隣りには誰もいない。
「オサムッチは?」
絢香は横に首を振る。
絶対来るだろうと思っていたのに、絢香は明らかに落ち込んだ顔をしている。
「絢香。帰ろう」
「……うん…」
「今日は忙しいんだよ」
「高木先輩は来たのに?」
「3年生は自由なんだよ。1年は勝手なことできないから……ね?」
黙って立ち上がると絢香は私の後をついてきた。
「あ~あ、あんなこと聞かなきゃ良かったな~
そしたら期待なんかしないで、ぐっすり寝られたのに」
部屋に戻って、それぞれシャワーを済ませていた。
もうオサムッチは現れないだろう…そんな遅い時間。
さっきまでのはしゃぎっぷりが嘘のように静かな511号室。
もう寝ようかとしていた時、控えめなノックの音が聞こえてきた。
「ともちゃんかな?」
絢香がドアを開けると、ともちゃんと菊池義人が立っていた。
「じゃ、おやすみ」
「うん、おやすみ…」
明らかにこれまでとは違う距離感。
オサムッチが来てるんならいいんだけど……
部屋を抜け出して、1階まで降りてみた。
薄暗くなったロビーにはフロントの人がいるだけ、自動ドアに近づくと思いのほか大きな音を立てて外に出ることになった。
ひんやりした外気がまとわりつく。
「奈々……」
声のした方を振り向けば、右手の植え込みに腰を掛けた絢香。
隣りには誰もいない。
「オサムッチは?」
絢香は横に首を振る。
絶対来るだろうと思っていたのに、絢香は明らかに落ち込んだ顔をしている。
「絢香。帰ろう」
「……うん…」
「今日は忙しいんだよ」
「高木先輩は来たのに?」
「3年生は自由なんだよ。1年は勝手なことできないから……ね?」
黙って立ち上がると絢香は私の後をついてきた。
「あ~あ、あんなこと聞かなきゃ良かったな~
そしたら期待なんかしないで、ぐっすり寝られたのに」
部屋に戻って、それぞれシャワーを済ませていた。
もうオサムッチは現れないだろう…そんな遅い時間。
さっきまでのはしゃぎっぷりが嘘のように静かな511号室。
もう寝ようかとしていた時、控えめなノックの音が聞こえてきた。
「ともちゃんかな?」
絢香がドアを開けると、ともちゃんと菊池義人が立っていた。
「じゃ、おやすみ」
「うん、おやすみ…」
明らかにこれまでとは違う距離感。

