翌日、どんよりとした曇り空だけど、時々差し込む朝日が輝いて見えた。
それが新しい世界の始まりを告げているように思えて……浮かれていたんだと思う。

私はコクリバにいた。

8時40分には着いていた。
自分でも早すぎたと、浮かれてフライングしているって分かってた。

告白されるのを楽しみに、早く着いてしまいました。って思われないかと、後悔していたくらい。

コクリバに呼び出されたからって、私は気にしてないわよ。って感じで遅く来れば良かったなんて計算もした。

でも9時を過ぎても吉岡は現れない。

朝一って何時なの?
もしかして8時半とか?

今度は、遅く来てしまったのかも、って後悔が押し寄せてくる。

もしかしてすっぽかされたとか?
あと少し、あと少しだけ待ってみよう。

そんな不安な気持ちを抑えて、研修棟の入り口の階段に座ってた。
バスケ部の練習が始まった音が聞こえる。

やっぱり来るのが遅かったんだ。

こんな大事な日に遅刻なんて…と肩を落として帰ろうかと立ち上がった時に、
遠くから砂利を踏む音が聞こえてきた。

吉岡だった。