「すぐに来て、とか言われても行けねーぞ」
「言わない」
「病気になっても見舞いにも行けねー」
「ならない」
「出産とかも一人きりだぞ」
「……そ、こまで考えてるんですか?」
「それで別れた先輩たちを見てる」
「大丈夫です」
「信じていいのか?」
「信じられる分だけ、信じてください」
「奈々…」
「ちょっとずつ信じてくれればいい。これから二人で新しく作っていけばいいじゃないですか。私はそうしたい。高木誠也をもっと知りたい」
捕まれている左手が痛いくらい、先輩が手に力を入れている。
「奈々……もうなにがあっても離さないぞ」
「先輩……」
強く引き寄せられて唇が重なる。
幸せな温もりにに身も心も吸い込まれていくようで、身体がふわりと浮いた気がした。
先輩の腕の中から解放されて見上げると、左頬が上がって嬉しそうな高木誠也が私を見下ろしていた。
「奈々。大胆だな。ここ店内だぞ」
そう言うと機嫌良さそうにカクテルを飲み干し、
「帰るぞ」
そう言ってまた先に席を立ちあがった。
毎度のことながら、この自由さにはついていけない。
「待ってくださいよ。なんでいつも置いてくんですか?」
既に外に出ていた先輩は、笑いながら階段を下りはじめた。
「もう」
口を尖らせながら階段を下りきると、腕を引かれ倉庫の間の路地に連れて行かれた。
「早くおまえを独り占めしたいからに決まってんだろ」
アゴを持たれて上を向かされ腰に回った手が私を持ち上げるようにキツク締め上げられ、唇を塞がれた。
やっと本当の高木誠也に触れた気がする。
激しいキスと手の動きに呼吸困難になりそうになりながら、高木誠也を強く感じた。
「好き。先輩……」
一瞬、動きを止めた大きな手が、頬に優しく触れる。
「俺も……奈々……」
褐色の瞳が、私だけを映している。
「言わない」
「病気になっても見舞いにも行けねー」
「ならない」
「出産とかも一人きりだぞ」
「……そ、こまで考えてるんですか?」
「それで別れた先輩たちを見てる」
「大丈夫です」
「信じていいのか?」
「信じられる分だけ、信じてください」
「奈々…」
「ちょっとずつ信じてくれればいい。これから二人で新しく作っていけばいいじゃないですか。私はそうしたい。高木誠也をもっと知りたい」
捕まれている左手が痛いくらい、先輩が手に力を入れている。
「奈々……もうなにがあっても離さないぞ」
「先輩……」
強く引き寄せられて唇が重なる。
幸せな温もりにに身も心も吸い込まれていくようで、身体がふわりと浮いた気がした。
先輩の腕の中から解放されて見上げると、左頬が上がって嬉しそうな高木誠也が私を見下ろしていた。
「奈々。大胆だな。ここ店内だぞ」
そう言うと機嫌良さそうにカクテルを飲み干し、
「帰るぞ」
そう言ってまた先に席を立ちあがった。
毎度のことながら、この自由さにはついていけない。
「待ってくださいよ。なんでいつも置いてくんですか?」
既に外に出ていた先輩は、笑いながら階段を下りはじめた。
「もう」
口を尖らせながら階段を下りきると、腕を引かれ倉庫の間の路地に連れて行かれた。
「早くおまえを独り占めしたいからに決まってんだろ」
アゴを持たれて上を向かされ腰に回った手が私を持ち上げるようにキツク締め上げられ、唇を塞がれた。
やっと本当の高木誠也に触れた気がする。
激しいキスと手の動きに呼吸困難になりそうになりながら、高木誠也を強く感じた。
「好き。先輩……」
一瞬、動きを止めた大きな手が、頬に優しく触れる。
「俺も……奈々……」
褐色の瞳が、私だけを映している。

