コクリバ 【完】

はぐれた他のメンバーを探すけど、見当たらない。

「どうしたんですか?」
「あ、いえ、他の仲間が見えなくて…」
「大丈夫ですよ。これが終わったら俺が一緒に探しますから」
「すみません。ありがとうございます」

そう言ったとき、背後から山下さんの声がした。

「良かった。ここにいたんですね」

振り返ると真理子先生と典子先生もいた。

けど、あの人がいない。

「高木はちょっと上官に呼ばれてて…すぐに戻ってくると思います」

「そうですか」

山下さんの穏やかな声が落ち着かせてくれる。


「おい、堤」
「はい、なんですか?」
「あんまりこの人に近寄るな」
「え?近寄ってないですよ」
「あとで高木に睨まれても知らないからな」
「なんすか、それ…」

アゴをクイっと動かした山下さんを見て、堤さんはみか先生達の方へと渋々歩いて行った。

音楽隊の指揮者の人がタクトを振り、ラッパの音を皮切りに演奏が始まった。