コクリバ 【完】

ボーっと室内を見渡していたら、みか先生の肘が当たった。

みか先生が後ろを見るように目で合図するから、何気なく振り返ると、
そこには10人、いやもっと多くの自衛隊の制服を着た人たちが、私たちを好奇の目で見ていた。

「あ……」

「おはようございます」

一人の人の挨拶を皮切りに、あちこちからいろんな声が聞えてくる。

「誰かの知り合い?」
「何歳?」
「もう艦の中は回った?」
「俺が案内しましょうか?」
「抜け駆けするなって」

みんな楽しそうに笑っている。

つられて笑顔になったみか先生が、私にそっと耳打ちしてきた。

「私たち歓迎されてるみたいね」


「山下の知り合い?」

中の一人が聞いてくる。

「俺じゃなくて、高木の方」

「え?高木の?」
「えー。高木さん?」
「どの子?」
「高木さん、マジっすか?」

かなりみんなが驚いている。

「高木ー」

「うるせーぞ。囲み過ぎなんだよ。散れ」

高木誠也も笑っていた。


中の一人の人が直接私たちに話しかけてきた。

「誰?どの子が高木の知り合い?もしかして全員?」

答えようかどうか迷っている内に、先生たちが全員私を見ている。

「え?君?君が高木の知り合いなの?」

思いっきり私が指さされている。

「まさか高木の彼女とか?」

私が首を振るのと、高木誠也が答えるのはほぼ同時だった。

「妹だ」