ラーメン屋はそんなに並ばないで食べることができ、列に並んでいるときも、食べているときも、できるだけ明るく話題を繋いだ。
車に戻ってからは今日の研修の話にもなり、私も洋祐先生も敢えてさっきの話題には触れずにいた。
研修の話が本格的になると、今日一日の疲れが出てきたのか瞼が重たくなって、頭が前にカクンと倒れてしまい、洋祐先生はそれを笑っていた。
お互い触れない方が良いという大人の判断で、無理にでも明るくしているんだと思う。
―――……「着きましたよ」
突然の洋祐先生の声にハッとして窓の外を見ると、見慣れた自宅アパートの駐車場だった。
「あ、すみません。私…」
思いっきり寝てしまっていた。
なんてずうずうしいんだろうと、自分が情けなくなる。
スーツの裾の乱れを直し、足元からバッグを取り出していると、
「奈々先生、寝言言ってましたよ」
「えっ?」
「ウソです」
アハハ……と洋祐先生が機嫌よく笑うから、私も「えー」なんておどけてみせた。
「すみませんでした。今、何時ぐらいですか?」
「11時を少し回ったくらいです」
「先生。お疲れなのに家まで送ってもらってすみません」
「いえ。今日はもう寝るだけですから……」
「あ、ちょっと待ってください。預かっていた書類を…」
私が後部座席の荷物を取ろうと身体をひねった時だった。
洋祐先生が助手席側の窓の外をかがんで見ている。
助手席がアパート側にあるから、誰かが出てきたのかと思った。
後部座席に置いていた資料が入ったバッグを引き寄せると、洋祐先生の左手が助手席のシートを掴んだ。
車に戻ってからは今日の研修の話にもなり、私も洋祐先生も敢えてさっきの話題には触れずにいた。
研修の話が本格的になると、今日一日の疲れが出てきたのか瞼が重たくなって、頭が前にカクンと倒れてしまい、洋祐先生はそれを笑っていた。
お互い触れない方が良いという大人の判断で、無理にでも明るくしているんだと思う。
―――……「着きましたよ」
突然の洋祐先生の声にハッとして窓の外を見ると、見慣れた自宅アパートの駐車場だった。
「あ、すみません。私…」
思いっきり寝てしまっていた。
なんてずうずうしいんだろうと、自分が情けなくなる。
スーツの裾の乱れを直し、足元からバッグを取り出していると、
「奈々先生、寝言言ってましたよ」
「えっ?」
「ウソです」
アハハ……と洋祐先生が機嫌よく笑うから、私も「えー」なんておどけてみせた。
「すみませんでした。今、何時ぐらいですか?」
「11時を少し回ったくらいです」
「先生。お疲れなのに家まで送ってもらってすみません」
「いえ。今日はもう寝るだけですから……」
「あ、ちょっと待ってください。預かっていた書類を…」
私が後部座席の荷物を取ろうと身体をひねった時だった。
洋祐先生が助手席側の窓の外をかがんで見ている。
助手席がアパート側にあるから、誰かが出てきたのかと思った。
後部座席に置いていた資料が入ったバッグを引き寄せると、洋祐先生の左手が助手席のシートを掴んだ。

