コクリバ 【完】

思った通り別室は園長クラスのお偉いさん方ばかりで、私みたいな普通の先生は数名しか残ってない。
そんな立ちっぱなしの時間が1時間半も続いた。

ようやく研修のホールを出た時には、外はもう真っ暗。


「はぁー」
外に出られて、思いっきり深呼吸をすると
「お疲れ様」
洋祐先生が笑いながら横に立った。

「お疲れ様でした。長かったですね」
「そうだね。ちょっと疲れたね」
「このあと運転大丈夫ですか?」
「うーん。少し休んでもいいですか?」

そうだろうと思う。

私だったら、今すぐ眠りたい気分だ。
これから2時間近くの道のりを運転なんてしたくない。

ちょうど良い季節だからと、ホールの周りを歩くことにした。

大きな灰色のビルを回って、裏側に行くと芝が敷き詰められた公園になっていた。

その向こう側に桜が咲いているのが見える。

花びらが舞っているのが、反対側に立っていても見てとれた。

「あそこまで歩きましょうか?」

洋祐先生の提案で、洋祐先生と微妙な距離を空けて、桜の木が並んでいる方へと歩き出した。