「高木とやり直すことにしたんだな?」
「なんでそんな話になるの?」
「やっと高木がOB会に来たんだぞ。おまえのこと許したんだろ?」
「何のこと言ってるの?」

落ち着き払った兄の口調と対照的に私の口調は荒くなる。

「高木が今までOB会に来なかったのはおまえのせいだって聞いたぞ。って言うか、俺がいたからだってな」
「……そうなの?」

私のせい?

「知らなかったのか?高木は実家に帰ってきてもほとんど誰とも会わずに戻ってたらしいな。バスケも全然やってないって言ってたぞ。おまえ高校時代あいつに何したんだ。高木からバスケ奪うほどの何をやらかしてたんだ」
「え?…ずっと?ずっと誰にも会わなかったの?」
「菊池の弟にも会ってなかったらしい」
「なんで?」
「それを俺が聞いてんだろ?」
「……なんで先輩、今年は来たの?」
「誤解だった、とか聞いたけど……」

言ってた。確かに、夏に市原先輩に会って聞いたって。

「じゃ、本当に私のせいでOB会に来なかったの?」
「たぶんな」