「話をするところ」と言われて、真っ先に浮かんだのはカフェ・ド・マティス。
客も少なく落ち着いて話せるけど……やっと立ち直った私の世界がまた揺らぎそうで少しの抵抗もある。
だけど、他に思いつかない。
横断歩道を渡り、お気に入りの珈琲店に案内する。
背中に感じる視線は、私が自意識過剰なんだろうか。
落ち着かない。
いつもならすぐに着いてしまうマティスまでの道のりがとても遠く感じる。
「いらっしゃい」
いつものようにマスターが気怠そうな声で迎えるのに
「あっちで」という言葉とジェスチャーで窓際のテーブル席を示して応えた。
マスターが笑顔で頷いた次の瞬間、後ろから入ってきた高木先輩を見てその笑顔が固まっていた。
これまで私が誰かとここに来たことなんてないからそんな態度なんだろうけど、そこまで驚かなくてもってちょっと恥ずかしくなる。
ギシギシ鳴る床を通り、窓際の席に高木先輩と向かい合わせに座った。
客も少なく落ち着いて話せるけど……やっと立ち直った私の世界がまた揺らぎそうで少しの抵抗もある。
だけど、他に思いつかない。
横断歩道を渡り、お気に入りの珈琲店に案内する。
背中に感じる視線は、私が自意識過剰なんだろうか。
落ち着かない。
いつもならすぐに着いてしまうマティスまでの道のりがとても遠く感じる。
「いらっしゃい」
いつものようにマスターが気怠そうな声で迎えるのに
「あっちで」という言葉とジェスチャーで窓際のテーブル席を示して応えた。
マスターが笑顔で頷いた次の瞬間、後ろから入ってきた高木先輩を見てその笑顔が固まっていた。
これまで私が誰かとここに来たことなんてないからそんな態度なんだろうけど、そこまで驚かなくてもってちょっと恥ずかしくなる。
ギシギシ鳴る床を通り、窓際の席に高木先輩と向かい合わせに座った。

