コクリバ 【完】

すぐに視線を足元に戻し、階段を2段ほど降りた。


―――誰だろう。


見覚えがあるような背の高さと、切れ長の瞳……
気だるげな雰囲気の立ち姿と、意識を惹きつけるオーラ……

ハッとした。

途端に鼓動が激しくなる。


もう一度、木の方を見ると、

こっちをじっと見ている切れ長の瞳と、目が合う。


携帯を片手に、しっかりと、そこに立っていたのは、




高木先輩だった。