しっかり高木先輩と目が合っている。
その切れ長の目がみるみる見開いたと同時に
「おまえ…サトル!何やってんだ!」
高木先輩が大きな声を出した。
え?
と思ったときには、高木先輩は大股でこっちに歩いてくる。
「何やらせてんだよ!」
高木先輩が怒っているから、咄嗟にシーツを首まで引き上げた。
悪いことしていたのが見つかったような気持ちになる。
高木先輩はすぐそばで足を止め私を見下ろすと、着ていた黒いトレーニングウエアを脱いで私の肩に掛けた。
その目が私を責めているみたいで、怖い。
「高木。何すんだよ。邪魔だ」
今度は市原先輩が声を荒げた。
「サトル!こいつが誰か知ってんのか?」
高木先輩が眉間にシワを寄せて言ったその言葉に、市原先輩も私も首を捻る。
誰?
「緒方先輩の妹だぞ。俺らが一年の時の。副キャプテンだった。おまえも覚えてんだろ」
「東中のか?」
市原先輩が椅子から立ち上がった。
「あぁ。東中のキャプテンだった緒方さんだ」
苛立ちを隠さないでそう言った高木先輩が、今度は私に向き直る。
身体が動かない。
「そうだろ?おまえ、緒方先輩の妹だろ?おまえが緒方奈々だろ?」
まるで刑事の尋問みたいに嘘をつかせない低い声。
「はい……」
私がやりました…と、犯人だったら白状していただろう。
そんな有無を言わせぬ目つき。
「マジか…。奈々ちゃん、本当?」
市原先輩が聞いてくる。
別に隠していたわけでもないけど、
「はい。すみません」
謝ってしまった。
「おまえが謝ることじゃないだろ」
高木先輩が私を見てる。
「サトル。緒方先輩にバレたら、おまえ、半殺しだぞ!」
やっぱり高木先輩は怒っている。
「だとしても、なんでお前が怒るんだよ」
市原先輩の疑問はもっともだと思う。
こんな格好をしているところを兄が見たら、確かにものすごく怒るだろう。
だけど高木先輩まで怒ることはないのに
「……俺のだからだよ」
「は?」
「え?」
高木先輩の小さな声に、耳を疑った。
たぶん市原先輩もそうだったんだろう。
「俺のだ、つってんだろ!」
高木先輩がはっきり言い切った。
しかもやっぱりイラついているように。
その切れ長の目がみるみる見開いたと同時に
「おまえ…サトル!何やってんだ!」
高木先輩が大きな声を出した。
え?
と思ったときには、高木先輩は大股でこっちに歩いてくる。
「何やらせてんだよ!」
高木先輩が怒っているから、咄嗟にシーツを首まで引き上げた。
悪いことしていたのが見つかったような気持ちになる。
高木先輩はすぐそばで足を止め私を見下ろすと、着ていた黒いトレーニングウエアを脱いで私の肩に掛けた。
その目が私を責めているみたいで、怖い。
「高木。何すんだよ。邪魔だ」
今度は市原先輩が声を荒げた。
「サトル!こいつが誰か知ってんのか?」
高木先輩が眉間にシワを寄せて言ったその言葉に、市原先輩も私も首を捻る。
誰?
「緒方先輩の妹だぞ。俺らが一年の時の。副キャプテンだった。おまえも覚えてんだろ」
「東中のか?」
市原先輩が椅子から立ち上がった。
「あぁ。東中のキャプテンだった緒方さんだ」
苛立ちを隠さないでそう言った高木先輩が、今度は私に向き直る。
身体が動かない。
「そうだろ?おまえ、緒方先輩の妹だろ?おまえが緒方奈々だろ?」
まるで刑事の尋問みたいに嘘をつかせない低い声。
「はい……」
私がやりました…と、犯人だったら白状していただろう。
そんな有無を言わせぬ目つき。
「マジか…。奈々ちゃん、本当?」
市原先輩が聞いてくる。
別に隠していたわけでもないけど、
「はい。すみません」
謝ってしまった。
「おまえが謝ることじゃないだろ」
高木先輩が私を見てる。
「サトル。緒方先輩にバレたら、おまえ、半殺しだぞ!」
やっぱり高木先輩は怒っている。
「だとしても、なんでお前が怒るんだよ」
市原先輩の疑問はもっともだと思う。
こんな格好をしているところを兄が見たら、確かにものすごく怒るだろう。
だけど高木先輩まで怒ることはないのに
「……俺のだからだよ」
「は?」
「え?」
高木先輩の小さな声に、耳を疑った。
たぶん市原先輩もそうだったんだろう。
「俺のだ、つってんだろ!」
高木先輩がはっきり言い切った。
しかもやっぱりイラついているように。

