コクリバ 【完】

兄が支度をするのを眺めていた。

「なんだよ」
「ううん。ほんとバスケ好きだね」
「はぁ?」

兄は私を睨みながらも、タオルはどこだの、ドリンクがないだの騒いでいる。

今日は1月3日にある高校バスケ部の恒例のOB会。

どうせ夜は宴会になるんだろうな。

「堀さんも見に来るの?」

私の言葉で兄がピタリと止まる。

「たぶんな」

照れてる。いっちょ前に兄のクセに照れてる。

「お母さんに言ってやろ」
「めんどくさいことするな。おまえは見に来ないのか?」
「うん。もうすぐ私も戻るから」
「もう、戻るのか?」
「明日は仕事始めの初詣」
「あぁ、そうだったな」
「お兄ちゃんは?明日休んだの?」
「午後から出るつもり」
「ふーん。この前みたいに飲み過ぎないでね。あ、もう大丈夫か。堀さんと仲直りしたみたいだしね」
「うるせー」

タオルを投げつけられた。ってことは相当照れてるらしい。

「結婚するの?」
「まぁ、時期がきたらな」

本気なんだ。
そんなに堀さんが好きなんだ。

なんだか嬉しいかも。
姉が出来るかもしれない。
そうなったらどうしよう。
兄の取り合いとかするのかな。
赤ちゃんが出来たら絶対毎日お世話しに行こう。

「奈々」
「ん?」
「顔、ニヤけすぎ」