コクリバ 【完】

美術室を飛び出して、真っ直ぐ階段を走り下りた。
渡り廊下も走り過ぎて、教室棟も突っ切って、ひたすら体育館に向かう。

高木先輩に会いたい。

今度こそ言える、「好きです」って。

高木先輩に信じてもらいたい。
ううん。信じてもらえるまでちゃんと伝えるしかないんだ。

体育館に高木先輩がいる気がして、白い息を切らしながら走った。

体育館の扉の前で一瞬だけ息を吐きだし扉をガラリと開けると、バレー部が数人いるだけで、バスケ部は誰もいない。

もう帰ったのかもしれない―――

だけど諦めきれない私はすぐに踵を返し、部室が並んでるところに走った。

雨の中、体育館を回り込んだところで、吉岡やオサムッチのバスケ部1年生が固まって歩いてくるところが見えた。

雨粒を弾きながらその集団に近づき、

「高木先輩は?」

どう思われようと構わないから、

「高木先輩はどこ?」

大声をだした。