必死で抵抗するけど吉岡のキスは終わらず、後頭部に回った右腕と頬を抑える左手でがっしりと固定されている。
それでも抵抗を続けていると、手のひらの中で携帯が震えだした。
兄に電話をかけるために取り出した携帯を握りしめていたことすら気付いてなかった。
一瞬、吉岡の唇が離れる。
その隙に携帯に出ようとすると、携帯を弾き飛ばされた。
銀色のハートのストラップが携帯と一緒に床を転がっていく。
吉岡を突き飛ばし、携帯に飛びつくように拾おうとすると、逆に吉岡に床に押し倒された。
「なん……」
なんで?
胸が痛くて、涙が横に流れる。
吉岡は私にまたがり、顔の両側に手をつき上から見下ろしている。
「……」
「……」
目を逸らせなくて、その状態から動けなかった。
「悪かった…」
小さく吉岡が呟いた時、
バンっ
ビクリとするような大きな音がした。
教室のドアが開いたと気付いたのは、何人かの足音と―――
「何してる!」
「どけ!」
複数の叫び声と―――
「ウっ…」
目の前で蹴り飛ばされた吉岡のうめき声…が、ほぼ同時に聞こえてきたから
それでも抵抗を続けていると、手のひらの中で携帯が震えだした。
兄に電話をかけるために取り出した携帯を握りしめていたことすら気付いてなかった。
一瞬、吉岡の唇が離れる。
その隙に携帯に出ようとすると、携帯を弾き飛ばされた。
銀色のハートのストラップが携帯と一緒に床を転がっていく。
吉岡を突き飛ばし、携帯に飛びつくように拾おうとすると、逆に吉岡に床に押し倒された。
「なん……」
なんで?
胸が痛くて、涙が横に流れる。
吉岡は私にまたがり、顔の両側に手をつき上から見下ろしている。
「……」
「……」
目を逸らせなくて、その状態から動けなかった。
「悪かった…」
小さく吉岡が呟いた時、
バンっ
ビクリとするような大きな音がした。
教室のドアが開いたと気付いたのは、何人かの足音と―――
「何してる!」
「どけ!」
複数の叫び声と―――
「ウっ…」
目の前で蹴り飛ばされた吉岡のうめき声…が、ほぼ同時に聞こえてきたから

