「奈々。大丈夫だから、兄ちゃんに話せ」
「…に……」
「そうだ。俺が仇取ってやるから」
「…ううん」
「奈々。頼む。教えてくれ。誰にやられたんだ。ひどいことされたのか?」
「ちが、うっ……」
「奈々……」
「…っ兄ちゃん」
そのまま兄の肩で泣いた。
幼い頃の記憶が甦ってくる。
こけて擦りむいた膝に泣いていると、絆創膏を貼ってくれた兄。
母に叱られ泣いて部屋に閉じこもっていると、おやつを持ってきてくれた兄。
兄の側だと本能で安心してしまうんだと思う。
兄の肩で泣くと、少し気持ちも落ちつき、
「大丈夫か?」
「うん」
素直に声が出た。
「足、どうした?」
「だから、転んだって」
「じゃ、このテーピングは誰がした?」
兄が私の左足を見ている。
「っ自分で……」
そう言いながらも、私にはそんな技術がないことくらい兄にはバレてるだろうと同時に思った。
でも、今更言える訳ない。
兄の目から隠すように左足を引く。
「…に……」
「そうだ。俺が仇取ってやるから」
「…ううん」
「奈々。頼む。教えてくれ。誰にやられたんだ。ひどいことされたのか?」
「ちが、うっ……」
「奈々……」
「…っ兄ちゃん」
そのまま兄の肩で泣いた。
幼い頃の記憶が甦ってくる。
こけて擦りむいた膝に泣いていると、絆創膏を貼ってくれた兄。
母に叱られ泣いて部屋に閉じこもっていると、おやつを持ってきてくれた兄。
兄の側だと本能で安心してしまうんだと思う。
兄の肩で泣くと、少し気持ちも落ちつき、
「大丈夫か?」
「うん」
素直に声が出た。
「足、どうした?」
「だから、転んだって」
「じゃ、このテーピングは誰がした?」
兄が私の左足を見ている。
「っ自分で……」
そう言いながらも、私にはそんな技術がないことくらい兄にはバレてるだろうと同時に思った。
でも、今更言える訳ない。
兄の目から隠すように左足を引く。