雨の中、さっきの兄の慌てぶりを思い出して一人でニヤつきながら、たっぷり時間をかけてコンビニに到着した。
雑誌コーナーで時間潰しでもしようとなんとなく外を見ると、コンビニの前の道路と並行に流れている川が増水している。
台風が近いらしい。
ごうごうと流れる川面が、少し怖い。
その川にかかる橋を、一台の黒い自転車がこちらに向かって渡ってきている。
傘も差さないでこんな雨の中、自転車に乗って行くことなんかないのに
まるで雨なんか降っていないかのようにゆっくり橋を渡ってやってくる自転車。
なぜだかその姿に釘付けになる。
黒のトレーニングウエア、
短めの黒髪、
見覚えのある体格……
もしかして高木先輩?
ドクンといきなり心臓が大きく動いた。
目の前の雑誌を掴んで、顔の前に持ってくる。
コンビニの前の、白い車の影に隠れる位置までさりげなく移動して、もう一度橋の上を見た。
間違いない、高木先輩だ。
雨除けなのか下の方を見ている高木先輩は、顔に垂れてきている雨のしずくを、時々首をふって落としていた。
濡れた髪と、少し細められた目と、半分開いた口元が、艶っぽくて目を逸らせない。
雑誌コーナーで時間潰しでもしようとなんとなく外を見ると、コンビニの前の道路と並行に流れている川が増水している。
台風が近いらしい。
ごうごうと流れる川面が、少し怖い。
その川にかかる橋を、一台の黒い自転車がこちらに向かって渡ってきている。
傘も差さないでこんな雨の中、自転車に乗って行くことなんかないのに
まるで雨なんか降っていないかのようにゆっくり橋を渡ってやってくる自転車。
なぜだかその姿に釘付けになる。
黒のトレーニングウエア、
短めの黒髪、
見覚えのある体格……
もしかして高木先輩?
ドクンといきなり心臓が大きく動いた。
目の前の雑誌を掴んで、顔の前に持ってくる。
コンビニの前の、白い車の影に隠れる位置までさりげなく移動して、もう一度橋の上を見た。
間違いない、高木先輩だ。
雨除けなのか下の方を見ている高木先輩は、顔に垂れてきている雨のしずくを、時々首をふって落としていた。
濡れた髪と、少し細められた目と、半分開いた口元が、艶っぽくて目を逸らせない。

