兄と中山さんは別の中学だったけど、お互いバスケをやっていたから仲が良かったらしい。
同じ高校に入り、同じバスケ部の副キャプテンとキャプテンをしていた時は、いつも一緒にいた気がする。

私とは4つ違いになるから、中学でも高校でも兄の活躍は見ていない。
だけど特に高校の時の兄は、中山さんと二人目立つ存在だったらしい。

キャプテンだった中山さんは何かにつけ豪快な人。

「緒方には伝説があるんだ」

そう二人に言って、中山さんは兄の小学生の頃の話をした。
もちろん噂話を更に脚色して。


私が小学一年生の時に、靴を隠された事件があった。
今ではよく覚えていないが、私はすごく泣いて学校に行きたくないと言っていたらしい。
すると兄は、その靴を隠した男の子3人を呼び出し、大声で怒鳴りつけたらしい。
当時、兄は5年生。
3人いても一年生の男の子たちは相当怖かったのだろう、
見事に全員泣きながらその場でお漏らしをしたらしい。


そこからだ、兄が
”漏らしの緒方”
なんて言われるようになったのは…