「知らねー」
「約束守らなかったんだな」
「そんな約束した覚えないっつってんだろ」
二人が言い合っているみたいでオロオロしていた私に急に市原先輩の鋭い視線がきて、
「奈々ちゃん。高木としちゃった?」
「……」
目が笑ってない市原先輩が、怖い。
市原先輩が処女の美しさについて語ったのは覚えている。
なぜ私をモデルにしたのかも……
見た目に変わらないから、誰にも分からないと思っていた。
まさか、市原先輩がそんなに処女にこだわっていたとは……
市私は何も答えられず下を向いてしまったから、市原先輩は気付いたかもしれない。
「おまえに関係ないだろ」
すかさず高木先輩がフォローしてくれたけど、
「……そうだな。俺には関係ないな……」
市原先輩の冷たい目が、約束を破ったことを怒っている。
全身が痛い。
「奈々ちゃん。もうモデルはいいよ」
市原先輩が、私を切り捨てようとしてる。
「先輩……」
シーツを引いて立ち上がり、市原先輩の方へ一歩近寄ると、
「あぁ。別に怒ってるとかじゃなくて、もうほとんど出来上がってたから」
「でも……」
「今まで協力してくれてありがとう。おかげで良い作品が描けたよ」
「あ……」
「お礼は今度改めてするから」
それはもう決定事項だと言わんばかりに市原先輩は話を続ける。
私には何も話させてはくれない。
市原先輩の顔には、王子様的な微笑が戻っていた。
「お礼なんていいです。先輩の作品が賞を取れたら、それだけで嬉しいです」
やっとの思いでそれだけを伝えると、市原先輩は優しい顔で頷いた。
伝わったのだろうか。
「もういいから、セイヤと帰りな」
高木先輩はこちらには背を向けて、扉の手前で待っている。
市原先輩に一礼して帰り支度を始めたけど、モデルを最後までちゃんとできなかったという後悔で、自分が消えてしまいたいくらいだった。
「約束守らなかったんだな」
「そんな約束した覚えないっつってんだろ」
二人が言い合っているみたいでオロオロしていた私に急に市原先輩の鋭い視線がきて、
「奈々ちゃん。高木としちゃった?」
「……」
目が笑ってない市原先輩が、怖い。
市原先輩が処女の美しさについて語ったのは覚えている。
なぜ私をモデルにしたのかも……
見た目に変わらないから、誰にも分からないと思っていた。
まさか、市原先輩がそんなに処女にこだわっていたとは……
市私は何も答えられず下を向いてしまったから、市原先輩は気付いたかもしれない。
「おまえに関係ないだろ」
すかさず高木先輩がフォローしてくれたけど、
「……そうだな。俺には関係ないな……」
市原先輩の冷たい目が、約束を破ったことを怒っている。
全身が痛い。
「奈々ちゃん。もうモデルはいいよ」
市原先輩が、私を切り捨てようとしてる。
「先輩……」
シーツを引いて立ち上がり、市原先輩の方へ一歩近寄ると、
「あぁ。別に怒ってるとかじゃなくて、もうほとんど出来上がってたから」
「でも……」
「今まで協力してくれてありがとう。おかげで良い作品が描けたよ」
「あ……」
「お礼は今度改めてするから」
それはもう決定事項だと言わんばかりに市原先輩は話を続ける。
私には何も話させてはくれない。
市原先輩の顔には、王子様的な微笑が戻っていた。
「お礼なんていいです。先輩の作品が賞を取れたら、それだけで嬉しいです」
やっとの思いでそれだけを伝えると、市原先輩は優しい顔で頷いた。
伝わったのだろうか。
「もういいから、セイヤと帰りな」
高木先輩はこちらには背を向けて、扉の手前で待っている。
市原先輩に一礼して帰り支度を始めたけど、モデルを最後までちゃんとできなかったという後悔で、自分が消えてしまいたいくらいだった。

