先に逃げろというシオンの後ろでは、ひとつ、またひとつと燃えた天井の破片が落ちている。
どうしたらいい。リルは必死に考えを巡らせていた。
このままリルが逃げて人を呼んで来たとしても、その間ここが無事である保証はない。全て崩れ落ちるのも時間の問題だ。
何をどうしたら三人とも確実に助かることができるだろう。考えを巡らせても視界の端で燃える炎の色だとか、自分の手の感覚だとか、息をすることの意識だとか、余計なことばかりが頭に流れこんできて、リルの思考をあやふやにしていく。
「いいから行け!」
シオンは怒鳴った。
その鋭い紫の瞳は揺れるリルの思考を貫いた。
瞬間、脳をいっぱいに満たしていたいらない情報は全て消えた。
そうだ、今2人を救うには私だけでは無理だ、とリルは思った。ならば2人を救うべく応援を呼んでこなければならない。
リルは頷くと助走をつけて窓枠を飛び越した。
飛びこえた瞬間、後ろで何かが崩れ落ちる音がした。足を止めて振り返りそうになったけれど、リルは振り向かなかった。
大丈夫、シオンならきっと大丈夫。助けを求めるように胸元のペンダントを握りしめて走りだした。
リルが死に物狂いで逃げるとすぐそこにはリルとシオンの帰りを心配そうに待っていたアーディがいて、リルを見つけると駆け寄ってきた。
「リル!良かった、無事だったんだね!」
安堵の表情を見せるアーディに、リルは咳き込みながら伝えた。
「シオンがまだ中にいるの。ミシェルさんが気を失っている。建物はもう持たない」
リルが戻ってきたと安堵し「お前は無事か、良かった」などと声を掛けてきた大勢の人々の中に、「シオン様がまだ中にいるのですか?」と鋭い口調でリルを責め立てる人がいた。
どうしたらいい。リルは必死に考えを巡らせていた。
このままリルが逃げて人を呼んで来たとしても、その間ここが無事である保証はない。全て崩れ落ちるのも時間の問題だ。
何をどうしたら三人とも確実に助かることができるだろう。考えを巡らせても視界の端で燃える炎の色だとか、自分の手の感覚だとか、息をすることの意識だとか、余計なことばかりが頭に流れこんできて、リルの思考をあやふやにしていく。
「いいから行け!」
シオンは怒鳴った。
その鋭い紫の瞳は揺れるリルの思考を貫いた。
瞬間、脳をいっぱいに満たしていたいらない情報は全て消えた。
そうだ、今2人を救うには私だけでは無理だ、とリルは思った。ならば2人を救うべく応援を呼んでこなければならない。
リルは頷くと助走をつけて窓枠を飛び越した。
飛びこえた瞬間、後ろで何かが崩れ落ちる音がした。足を止めて振り返りそうになったけれど、リルは振り向かなかった。
大丈夫、シオンならきっと大丈夫。助けを求めるように胸元のペンダントを握りしめて走りだした。
リルが死に物狂いで逃げるとすぐそこにはリルとシオンの帰りを心配そうに待っていたアーディがいて、リルを見つけると駆け寄ってきた。
「リル!良かった、無事だったんだね!」
安堵の表情を見せるアーディに、リルは咳き込みながら伝えた。
「シオンがまだ中にいるの。ミシェルさんが気を失っている。建物はもう持たない」
リルが戻ってきたと安堵し「お前は無事か、良かった」などと声を掛けてきた大勢の人々の中に、「シオン様がまだ中にいるのですか?」と鋭い口調でリルを責め立てる人がいた。


