リルは火で覆われた店内でミシェルを探していた。
「ミシェルさん!どこにいますか、ミシェルさん!」
息を吸い込むたびに、煤けた空気が喉を締め付けるように纏わり付く。
腕で口元を押さえながら店内を進むが、空気が煤けているだけでなく、酸素が燃えて刻一刻とその量が減っているようで息苦しくてたまらない。
視界の端ではあんなに綺麗だった天井が焼け落ち、炎を纏った木片がいくつも落ちてくる。
新品だったテーブルや椅子も火に飲み込まれてごうごうと燃え、見るも無惨な地獄絵図だ。
炎で視界が遮られる中、店の隅で座り込んでいる女性を見つけてリルは駆け寄った。
「ミシェルさん!」
ミシェルは怯えきった表情をしていた。リルを見つけて助けが来たと思ったのか、縋り付くように腕を伸ばして「助けておくれ」と懇願した。
リルはその手をとって力強く言う。
「逃げましょう、ミシェルさん。旦那さんも心配しています。さあ、立って__」
その時だった。
リルの後ろで大きな音がした。振り返るとリルは呆然とした。
ごうごうと赤く燃える天井が焼け落ちて、退路を塞がれた。
「ミシェルさん、難しいかもしれません頑張りましょう。行きますよ」
そうミシェルの顔を見ると、ミシェルはぐったりとしていた。目を閉じて体に力は入っていない。
「ミシェルさん!」
呼びかけにも応じない。どうやらミシェルは気絶したらしかった。
ミシェルはふくよかな体型をしていた。リルはその肩を持ち、立ち上がろうとするけれどうまくはいかなかった。
どうしようとリルが絶望しかけたとき、声が聞こえた。
「おい、無事か!」
それはシオンの声だった。
「ミシェルさん!どこにいますか、ミシェルさん!」
息を吸い込むたびに、煤けた空気が喉を締め付けるように纏わり付く。
腕で口元を押さえながら店内を進むが、空気が煤けているだけでなく、酸素が燃えて刻一刻とその量が減っているようで息苦しくてたまらない。
視界の端ではあんなに綺麗だった天井が焼け落ち、炎を纏った木片がいくつも落ちてくる。
新品だったテーブルや椅子も火に飲み込まれてごうごうと燃え、見るも無惨な地獄絵図だ。
炎で視界が遮られる中、店の隅で座り込んでいる女性を見つけてリルは駆け寄った。
「ミシェルさん!」
ミシェルは怯えきった表情をしていた。リルを見つけて助けが来たと思ったのか、縋り付くように腕を伸ばして「助けておくれ」と懇願した。
リルはその手をとって力強く言う。
「逃げましょう、ミシェルさん。旦那さんも心配しています。さあ、立って__」
その時だった。
リルの後ろで大きな音がした。振り返るとリルは呆然とした。
ごうごうと赤く燃える天井が焼け落ちて、退路を塞がれた。
「ミシェルさん、難しいかもしれません頑張りましょう。行きますよ」
そうミシェルの顔を見ると、ミシェルはぐったりとしていた。目を閉じて体に力は入っていない。
「ミシェルさん!」
呼びかけにも応じない。どうやらミシェルは気絶したらしかった。
ミシェルはふくよかな体型をしていた。リルはその肩を持ち、立ち上がろうとするけれどうまくはいかなかった。
どうしようとリルが絶望しかけたとき、声が聞こえた。
「おい、無事か!」
それはシオンの声だった。


