「ええ、まあそんなところよ」
睨まれているというのに、メアは凛とおじさんを見据えて答えた。
「どこの店だ」
「クリーム・クレームよ」
「クリーム・クレームって、あのマダム・マドレーヌの?」
おじさんは目を丸くした。
初めてメアの職場に行ったときに会った、マダム・マドレーヌは装飾の業界では知らない人がいないほどの有名人らしい。
「ということは、お前さんは、あのマダムの秘蔵っ子か!マダムが認めたっていう天才少女!」
そんなマダムが可愛がっているメアもまた装飾業界では有名だ。
「お前さんのような人に会えるとは光栄だなあ。ぜひ店内も見てってくれよ!こいつなんか珍しいだろう!わざわざ他国から取り寄せた珍しい部品を使っていてな…」
メアはその目をキラキラさせながら店の奥へと消えていく。
あれは職人モードだ。この状態ではメアは何も聞こえないだろう。
追いかけないと、とリルは思ったのだが、それは阻止されてしまった。
どうやら周辺にエールの屋台が出ているらしく、昼間だというのに酔っ払っているおじさんが何人もいるらしい。そのうちの一人に絡まれてしまったのだ。
「おー、お嬢ちゃん、かわいいねえ。いっしょに飲んでいかないかい?」
エールを片手に赤ら顔のおじさんは酒臭いったらない。
おじさんから漂ってくるそのエール特有のアルコールの香りは得意ではないな、とリルは思った。
睨まれているというのに、メアは凛とおじさんを見据えて答えた。
「どこの店だ」
「クリーム・クレームよ」
「クリーム・クレームって、あのマダム・マドレーヌの?」
おじさんは目を丸くした。
初めてメアの職場に行ったときに会った、マダム・マドレーヌは装飾の業界では知らない人がいないほどの有名人らしい。
「ということは、お前さんは、あのマダムの秘蔵っ子か!マダムが認めたっていう天才少女!」
そんなマダムが可愛がっているメアもまた装飾業界では有名だ。
「お前さんのような人に会えるとは光栄だなあ。ぜひ店内も見てってくれよ!こいつなんか珍しいだろう!わざわざ他国から取り寄せた珍しい部品を使っていてな…」
メアはその目をキラキラさせながら店の奥へと消えていく。
あれは職人モードだ。この状態ではメアは何も聞こえないだろう。
追いかけないと、とリルは思ったのだが、それは阻止されてしまった。
どうやら周辺にエールの屋台が出ているらしく、昼間だというのに酔っ払っているおじさんが何人もいるらしい。そのうちの一人に絡まれてしまったのだ。
「おー、お嬢ちゃん、かわいいねえ。いっしょに飲んでいかないかい?」
エールを片手に赤ら顔のおじさんは酒臭いったらない。
おじさんから漂ってくるそのエール特有のアルコールの香りは得意ではないな、とリルは思った。


