結婚も2度目だからこそ!

舞台の片付けが終わり、ロビーで待つ京香と合流して、近くの喫茶店に足を運ぶ。

スローなジャズの流れる店内。

席に座り、コーヒーを頼んで一息ついた後、早速俺は京香に聞いた。

「……で、何かあった?」

俺がそう言うと、京香は驚いた表情で俺を見る。

「……え!?」

「何かあったでしょ?顔色が冴えないように見える」

京香は、目を泳がせて言いにくそうにしていた。
俺はじっとそんな京香を見つめる。

京香の苦しそうな顔。
そんな顔にさせるのは、多分あれしかない。


「……その、メールが来たんです。前の夫から」

「……なんて?」

「『寂しい』と。ただそれだけ」


それを聞いた時、激しい感情が一気に身体中を駆け巡った。


寂しい?


浮気して醜態を晒して、トラウマを植え付けた相手に対して、寂しいだって?

寂しくなったのは誰のせいだ?

どうして平然とそんなメールを送れるんだ?

どういう神経をしてるんだ!!


怒りで手が小刻みに震える。

今の京香には、前の男と会うことさえ苦痛でしかないのに。
深く抉られた傷は、まだ癒されていないというのに。

相手を考えず、自分の身勝手な思いだけで簡単にメールを送ってしまえる男に、苛立ちが収まらない。

「随分と勝手な男だな……。自分から浮気しといて、寂しいだなんてよく言えたもんだ」