「り、離婚?」
「はい。つい一ヶ月しないくらい前に」
……驚いた。
京香に今まで男がいなかったとは思わなかったけど、まさか結婚していて、しかも離婚していたなんて。
しかも離婚したてだとは。
……だからか。
だから派遣で働かなきゃいけなかったのか。
けど、なんで?
「なんでまた離婚なんて……」
「えっと、その。浮気されたんですよ。……見ちゃったんですよね、浮気の現場を」
その時の俺は、頭の中が軽く混乱していたんだと思う。
ついふざけた感じで言ってしまった。
……それが失敗だった。
「うわ、浮気されてバツイチとか、お前どんだけ惨めなの!?」
「う、うるさいっ!そんなの分かってるわよ!」
京香は声を荒げて俺に言った。
言ってしまってから失敗した、と思った。
目の前にいる京香の表情は、それはもう厳しいもので。
胸が苦しいくらいに痛む。
分かっているはずなのに。
好きな人に裏切られる気持ちは、誰よりも俺が一番分かっているはずなのに。
俺だって、同じように浮気されて別れたクチだ。
何も手につかなくなるくらい落ち込んでいて、それは京香も同じだと思う。
……なのに俺ってば。

