その言葉を聞いた先輩の動きが止まる。

そして目を大きく見開いて、僕を見た。


「え・・・?なに・・・?君が、私の事を好き?」

「はい。先輩のことが好きです」

「で、でも私には恭が・・・」


そう言う先輩の声は少し震えていて、明らかに動揺していた。


まさか僕がそんな告白をするとは思わなかったんだろう。

彼氏のいる人間に告白する猛者は、早々いないだろうから。



僕はそんな先輩をじっと見つめたまま、話を続ける。


「部活紹介の時から、先輩に惹かれてました。ずっと好きで、だけど先輩には彼氏がいて、本当は諦めようかと思いました。・・・けど、諦められない理由が出来ました」

「・・・え?」

「先輩は高梨先輩に振り回されて、苦しんでる。いつも悲しい顔をしている。だから、僕が先輩を助けたい」


その言葉に先輩の顔が大きく歪む。


「僕は必ず、先輩の事を幸せにします。不安な想いなんて絶対にさせない。心の底から先輩を笑わせてあげますから、・・・だから」


僕は先輩を引き寄せ、抱きしめた。
先輩のシャンプーの匂いが仄かに香り、さらに激しく心臓が高鳴る。



「僕のこと、好きになってください」