・・・いいよ、分かったよ。

高梨先輩がそういう考えなら、もう僕は遠慮なんてしない。

なんだかんだ言って、高梨先輩も千尋先輩のことが好きなんだと思ってた。

優しく出来ないのは照れてしまうからだって、実はちゃんと大事にしてくれているんじゃないかって、・・・大事にしていて欲しい、そう願っていたのに。



でも現実はそうじゃなかった。


高梨先輩の言葉は、


『そんなに好きじゃない』



・・・なのに、自分の都合だけで千尋先輩を縛りつけている。



千尋先輩は高梨先輩の事が好きだから、我慢して苦しんでいたってのに。

泣いて、自分の想いをぶつけて、それでも苦しいから自分から去ろうと、辛かっただろうに別れの言葉まで口にしていたのに。

でも、高梨先輩はそんな時だけ優しくして隣に留めさせる。

そうやって千尋先輩を縛りつけて、アイツは好き勝手し放題。


そんな千尋先輩の想いを踏みにじるような行為と本音は、許されるもんじゃない。



なら、いいよ。

僕は必ず高梨先輩から千尋先輩を救い出す。

必ず、僕が千尋先輩を心から笑わせてあげる。



絶対に諦めないよ、必ず千尋先輩を振り向かせてみせる。



そのために僕がまず始めにやるべきことは―――・・・。