「葛鬼……さすが、マスターだけあるじゃない」


「舐めてもらっちゃあ困りますよぉ?クラッカーだけが取り柄なわけでもないですしぃ……オンナに負けるなんて有り得ませんねぇ」


「出た。女をバカにするやつ、あたし大っ嫌いなんだよね!」



売り言葉に買い言葉。


こんな会話を平然としているなかでも、あたしと葛鬼はフィールド内を駆け回り、隙あらば攻撃を仕掛けている。


特殊フィールド内は一種のサバイバル場のようなものだ。


体が隠れるほど大きな岩はそこら辺にあるし、入口からぐるっと一周囲むように木々が茂っているせいでジャングルのようにとにかく足場が悪いところも少なくない。


1VS1での戦いは基本的に制限がかけられないため、ルールとしても校則より甘いくらいの設定にしかなっていない。


なっちゃんが言っていた通りスターの奪取数に上限はないし、内カメラはあっても制限がかけられているため、全体を見ることが出来るのは監視者と認定された者だけ。


そんななかでの〝本気〟の戦いなのだから、危うく命に関わるような戦いまでヒートアップしてしまうことも少なくないんだろう。