目を覚ますと、見覚えのある天井と天蓋が視界に入った。


どうやら、マスター寮のあたしの部屋らしい。


ぼんやりする頭で自分がなぜ寝ていたのかを考える。


ああそうだ、あたしは葛鬼に……。



「っ……うっ」



急激に襲ってきた吐き気に、身をよじり体を丸めて口を抑える。


……こんなふうになるのは、いつぶりかな。


ここへ来てからはなかったのに。


猛烈な吐き気に耐えながら、あたしは這うようにベッドを降りて、壁に伝い歩きしながらなんとかトイレへと向かう。