【美琴side】



「ん……」



目を開けると、またベッドの上だった。



「沢田?大丈夫か?」



耳元で、優しい男の人の声が聞こえた。


まさかと思って隣をチラッと見ると、そこには黒瀬がいた。


私はまた、布団を被る。



なんで、また黒瀬なの……?



「ごめんな、沢田。俺、お前が男性恐怖症って知らなくてさ……」



え……?


なんで……



「ホントに悪かった。これで許されるとか思ってねぇけど……でも、俺は……お前のことを守りたい。だから、辛くなったらいつでも俺に言え。絶対に守ってやる」



……全然頭が追いつかないんだけど。



ちょっと整理してみよ。


えっと。



空き教室で三人の大学生とにらめっこしてたら、誰かに上着をかけられて……


で、多分同一人物だと思うんだけど、その人に肩を抱かれて……



そこで意識が飛んだんだっけ。



そして、目が覚めたら保健室のベッドの上にいて……