「な、なんでテメェがここに居やがる?!」

女は、俺に目を向ける。

「ラース……っ!」

『……』

ラースは、俺の言葉を無視して、マシュマロを撫で始めた。

「無視すんじゃねぇ!」

『うるさい黙れ』

「うっ……」

ラースの目力に俺の体が固まる。

あの目、本気で怒った時の姉貴の目に似てる……。

『まったく、お前は一度ならず二度までも、私の一番の子に手を出して』

「そ、それはマシュマロが擦り寄ってきたから!」

『気安くマシュマロの名を呼ぶな、私がつけた名前なんだからな』

「お、お前かよ……」

まさか、マシュマロはラースが飼っている猫だったりするのか?

「なら、マシュマロのこと持ち帰ればいいだろ?そうやって放し飼いしていないで」

『それが出来るならとっくにしているさ。私たちが居るところでは、マシュマロが生きていくのは不可能だ』

そ、そんなやばいところに住んでいるのかよ……。

『だから、こうしてたまにマシュマロに会いに来るんだ』

「……なるほどな」

じゃあ、今は俺と闘う気はないってことで良いんだよな?

「んじゃ、俺帰るから」

『あぁ、さっさと消えろ』

なんかむかつく言い方だな……。

『そうだ。一つだけお前たちに忠告しておいてやる』

俺は、ラースの方へと振り返り軽く睨みつけた。

「……なんだよ?」

『次、闘う相手には気をつけろよ』

「はぁ?どういうことだ?」

『次にお前たちが闘うのは、七つの大罪最強の男だってことだ』

「な、なんだとっ!」

七つの大罪の最強って言ったらたしか……。

『ちゃんと忠告したぞ』

「なんでその事を俺たちに言う?!」

『だって、もう本人来てるからな』

「は?」