優也「瑠奈。顔をあげて」





優しい声がした。




ゆっくり顔をあげると優也は微笑み言った。





優也「瑠奈と最初に出会った日、あなたには何個もGPSが付けられていました。それを見て僕はこの子は訳ありなんだなあと思いました。」






ずっと握り絞めていた私の手を蓮の大きな手が包み込みほどいていく。






蓮「俺みたいに黒狼は訳ありなやつが多い。どんな訳があったってみんな仲間だ。今更瑠奈に訳があったって仲間には変わりないよね」







いつもみたいにパチンとウインクをする蓮。






優也「瑠奈が話したいときに話してくれればいいんです。僕たちは何年だって待ちますよ」






涙があふれた。





最初は怖そうな人たちだと思った。





悪い人たちだと。





でも一緒にいて全然知らない私にみんな優しくて、私のことばっか考えてくれていて。






仲間って言ってくれて。