ほんとは優しい私のオオカミ ②



そして連れて行く。
一度も振り返らない零に私は声をかけた。



瑠奈「零!待ってるから」



すると零は振り返って笑った。



ガシガシと翔に頭を撫でられる。
慰めてくれてるのかな。その不器用さに笑みが漏れる。



瑠奈「頭ボサボサになっちゃうよ~」

翔「うるせえ」



本当に不器用なんだから。
警察が去った後、もう一人会いたかった人が姿を見せた。



「瑠奈」



懐かしい声に涙が出た。



瑠奈「お爺様!」



駆け出し抱き着く。私の育ての親。見た目が怖いけど優しい人だ。