ほんとは優しい私のオオカミ ②








零「…瑠奈」





ゾクッ




まるで背筋が凍るような、それでいてとてつもなく甘い声で彼は私の名前を呼んだ。


おそるおそる振り返ると、いつものように優しい笑顔で零が立っていた。


そしてすぐに私の後ろ、自分の父親を冷ややかな目で見つめた。


その視線はとても暗く鋭かった。



瑠奈「零…」



私が名前を呼ぶとすぐにこちらに視線を向ける。



零「ん??どしたの??」



私は震える声で聞いた。



瑠奈「どうして、おじ様をこんなところへ?」


零「…」


少しの沈黙があったあと零がポツリと呟いた。


零「離そうとしたから…」


瑠奈「え?」


声が小さく聞き取れ無かった私は、疑問を口にしその先を待った。