零「…瑠奈」
ゾクッ
まるで背筋が凍るような、それでいてとてつもなく甘い声で彼は私の名前を呼んだ。
おそるおそる振り返ると、いつものように優しい笑顔で零が立っていた。
そしてすぐに私の後ろ、自分の父親を冷ややかな目で見つめた。
その視線はとても暗く鋭かった。
瑠奈「零…」
私が名前を呼ぶとすぐにこちらに視線を向ける。
零「ん??どしたの??」
私は震える声で聞いた。
瑠奈「どうして、おじ様をこんなところへ?」
零「…」
少しの沈黙があったあと零がポツリと呟いた。
零「離そうとしたから…」
瑠奈「え?」
声が小さく聞き取れ無かった私は、疑問を口にしその先を待った。

