あたしと聖也は待合室へと移動してきていた。


平日だというのに沢山の患者さんたちが待っている。


邪魔にならないように一番後ろの椅子に並んで座った。


「話ってなに?」


聖也が聞いてくる。


「さっきの、言い間違いなんかじゃないでしょ」


あたしがそう言うと、聖也は首を傾げた。


「丸山先生が……助からないって」


途中で言葉を失いそうになりながらも、あたしはそう言った。


できればこの場でこんな話はしたくなかったけれど、確かめずにはいられなかった。


もし、聖也があたしと同じ能力の持ち主だったら?


そう考えると、居ても立っても居られない気分だった。


「言い間違いだよ。本当、なんであんなことを言ったのかわからない。最低だよな」


聖也はそう言い、前髪をクシュッと握った。


あたしはその返事に満足しなかったし、それを素直に受け取ることもしなかった。


「うそつき」


あたしはそう言い、聖也を睨み付けた。


「は?」


聖也は戸惑ったように視線を泳がせる。