礼は階段を駆け上がり、あたしの背後へまわるとあたしの体を押しやったのだ。


驚きのあまり抵抗する暇なんてなかった。


目の前には階段を上って来る男たち。


体のバランスを崩したあたしは男たちの手によって支えられ、その隙に礼は逃げ出したのだ。


「礼!?」


思わず大きな声で呼んだ。


礼は一瞬こちらを振り返る。


その瞬間、礼の番号札が4ケタまで増えていることに気が付いた。


あたしは愕然として逃げる礼の背中を見つめていた。


なに、いまの……。


一瞬にして礼の番号札は増えていた。


礼は自分の命をつなぎとめたのだ。


あたしは男たちを見た。


つまり、この人たちが礼の死に関わっていたということ……!!


「あ~あ、礼ちゃん逃げちゃったじゃん」


「いいよあいつは、こっちのが可愛いし」


「じゃぁ、パーティーといきますか!!」


あたしの耳元で男たちは楽しげに笑ったのだった。