あたしの能力はいつまで続いていくんだろう?


さっき聞いた聖也の言葉で、そんな事を考えるようになっていた。


気が付いた時には見えていた番号札。


思春期を迎えてもそれはずっと見えていて、大人になってからもずっと見ているのかもしれなかった。


あたしは番号札が見えていることを、ずっと周囲に隠して生きていくことになるんだろうか?


恋人ができても、結婚しても、子供が生まれても……。


そこまで考えて、あたしは立ち止まった。


「どうした?」


聖也も同じように立ち止まり、振り返る。


あたしは聖也の目をジッと見つめた。


「辛くないの?」


そう聞くと、聖也は驚いたように目を丸くした。


「……辛いよ」


聖也は少しほほ笑んでそう答えた。


「人とは違うんだよ?」


「そうだね」


聖也は頷く。


「理解してもらえないんだよ!?」


「知ってるよ」


それでも聖也はほほ笑んだままだ。