それからもあたしには番号札が見えていた。


クラスメート、先生、通りすがりの人。


見れば見るほど、見ないふりをすればするほど、感情が薄くなっていくような気分だった。


聖也は今でも色々と考えを巡らせているようで、時折あたしと視線があっては寂しそうな表情を浮かべた。


その時は胸が痛んだけれど、あたしは聖也の寂しそうな顔さえも見ないふりをした。


表面上だけで笑い、表面上だけで怒り、どんどん自分が自分じゃなくなっていく。


一度聖也の前で自分自身を出してしまったから、普段の生活でどれだけ自分が心を閉ざしているのかがリアルにわかってきた。


あたしは結菜にさえ、本当の事を伝えていない。


両親も、あたしの能力をわかっていない。


気が付けば、あたしはひとりぼっちだった。