「秋奈!」

「おい!大丈夫か!!」

 肩を掴まれて揺さぶられる。

 目の前には、いないはずの2人がいて…。

 勝手にこみ上げてきたものを堪えて、2人を見上げる。

「ノンタン…大貴…」

「って、こんな時までノンタンか」

「いや、そこどーでもいいだろ!」

 急に表情が崩れたノンタンと大貴は安心したように笑う。

 でも、どうして2人がここに…。

 じっと見上げていると突然頭を叩かれて思わず頭を覆う。

「あんたはバカなのか!!!」

 思いっきり怒鳴られて顔を向けると、直斗さんがものすごく怒った顔で睨んできてて、血の気が去っていくのが何となく自分でも分かる。

「踏み込むなっつただろ!!なのになんで1人で行く!自分がどれだけ危険なことしてんのか分かってんのか!!!」

 直斗さんの怒鳴り声に勝手に体がびくついて、自然とノンタンと大貴に手を伸ばすけど、その手も掴まれて2人から特上の笑顔を向けられてしまう。