あれから、3年。

 紫炎の倉庫で兄貴と…いや、家出した奴らとかとにかくそこに集まってくる奴と過ごした。

 当然、中学なんか通えなくて、働いてねぇから盗んででしか金を得られないから、そこにいる奴らといろんなことに手を出した。

 窃盗、万引き、すりとか言うのは甘い方で、時には受け子や薬の運びもした。

 生きるためにやれることはなんでも手を出したし、体も売った。

 自分を守るために自然と強くなっていくケンカ。

 それと同時に忘れていく何か。

 毎日がどうでもよくて、感情さえ失っていった。

「なつきぃ~、おまえもやらねぇのかぁ?」

 よくつるんでた奴が絡んできて思わずため息をつく。

 めんどくさ…。つうか、臭すぎるだろ。

 視線だけを向けるとそいつは薬持ってて、思わずため息をつく。

「お前やり過ぎんなって言っただろ」

「あ~?」

 話通じてねぇし…。

 手に握ってた薬を奪い取って握りつぶす。

 こんなんやってどうすんだよ。これは、運ぶから金になんだろ。自分がやったら、余計に金が必要になるだけなのに。