恋愛(ピュア)
完

- 作品番号
- 1328414
- 最終更新
- 2016/05/11
- 総文字数
- 47,104
- ページ数
- 43ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 391,488
- いいね数
- 3
いつも人の心を見透かしているように余裕の笑みを浮かべる店長の困った顔が見たくて、他店の店長たちにどんどんお酒を飲まされているのを、ただ黙って見ていた。
前にお酒は弱いと言っていたから、あれだけ飲まされたらべろんべろんに酔っ払って、余裕ぶっていられないだろう。
予想は半分当たりで半分はずれ。
店長は呂律が回らないほど酔っ払って、目も完全に据わっていた。
そしてふらふらとわたしの隣にやって来て、こう言ったのだった。
「青山さん、俺が酔っ払っていくのを見て楽しんでたよね。仕事ではフォローしてくれても、飲み会ではしてくれないなんてなあ。俺が行き倒れないよう、しっかり介抱してくれるよね」
ちょっとした出来心で、神谷店長を酔わせてしまった詩織。
介抱のため神谷の自宅マンションに行くと、そこには想像もできなかった驚くべき光景が広がっていた。
そして始まる、詩織と神谷の一週間が……。
この作品のレビュー
泥酔した店長さんの部屋での告白から始まるお話。急速に展開される忙しない恋なのかと思ったら、全然違いました。
お店では頼れる男なのに意外な一面を持っている神谷店長。しっかりと自分や周囲をみることができる詩織さん。ふたりとも、とても魅力的に描かれています。
お互いが、自分と相手の気持ちに向き合い尊重しながら過ごす一週間は、読みやすく落ち着いた文章と丁寧な描写で繊細に紡がれていきます。
たった一週間の出来事を綴った中編小説だということが感じられないほど、充実した読後感を得られました。
神谷さんと詩織さん。それぞれの止まっていた時が再び動き出し、今度はふたりで新しいこれからを築き始めるという、まさに『再生する』ための物語。
読み終えた時、思わずほっと頬が緩んでしまうような素敵なラブストーリーです。
この作品の感想ノート
素晴らしく面白くて、そこそこのボリュームがあるのに一気読みしてしまいました。
今、他の短編集もちょこちょこと読ませて頂いておりますが、表現力があって、また、合間合間に挟まれるユーモアもセンスが良くて素敵な作家さまだなぁ、と感じております。
しばらく真崎さんの小説にはまらせて頂きます♪
>ちょこ15 さま
ゴミ屋敷の様子は、描写以上に悲惨なものを想像していただけると嬉しいです。笑
部屋も片付き、彼女が出来て、同棲して…きっと店でも家でもいちゃこらして、そのうちスタッフたちに冷やかされるんだろうなあ、なんて想像しております。
やっぱりわたしはハッピーエンドが好きです。
感想ありがとうございましたー!
完結お疲れ様でした
いろんな過去を乗り越える意味の再生ですね
しっくりきました!
それにしても、ゴミ屋敷とは…
部屋も片付いて
彼女が出来て同棲して、
万々歳ですね!
元カレも、上手くいってるし
ハッピーエンドで良かったです
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