約束の時間の数分前に玄関にウサギと並んで立つ。



すると男2人が歩いて来ていた。



その2人は、乱魔の仲間の2人。



「あ、みさきちゃんだ」



あたしに気付いて言ったのは、空海ではないほう。



「ちぃちゃん、知り合い?」



ウサギは不思議そうに聞いてきた。



「乱魔の仲間だ」



あたしたちに近付いてくる2人の姿を見つめたまま、ウサギの質問に答える。



「え?なんで?乱魔って1人で来るんじゃ……」


「一弥はあとから来ますよ。俺らは、先に自首しに来たんです」



するとタイミングよく来た空海が言った。



「失礼ですが、お名前は……」


「俺は新田海(にったかい)。で、こいつが……」


「櫻井滋(さくらいしげる)だよ」



新田海と、櫻井滋……



「それじゃ、俺らはこれで」


「あ、ちょっと」



あたしは新田海の服をつかんだ。



「なにか?」



新田海は不機嫌そうに、あたしを睨みながら言った。



「お前たちは成瀬優弥たちのことを知りたくないのか?」


「知りたいんだけど、一弥に止められたんだよねぇ」



櫻井滋の言葉に新田海が何度かうなずいている。



なるほど、だからこうして自首しに来ているわけか。



「ならば、あとから乱魔に聞く、ということか?」


「とりあえずそうなってるけど……?」



続けて櫻井滋が言った。