今回狙うのはとある財閥が持ってるティアラ。
Sの情報によると、どっかのお嬢様のものだったらしい。
どこか言ってたはずなのに忘れた。
シルバーで真ん中に赤のルビー。
ほかのところは全部ダイヤ。
見た目はシンプルなんだけど、売るとかなり高いらしい。
そんなティアラが置いてある部屋の上に到着。
あ、俺がいるのは屋根裏てきなとこ。
ホコリとかヤバイ。
「君が……の息子さんか。本当に……を……られるのか?」
誰かの話し声が聞こえてきた。
たぶんティアラの持ち主。
ってか、大事なとこだけ聞こえねーんだけど。
でも、間違いなく持ち主が今話しかけてるやつこそ、今回警察が手にした有力な人物だろう。
いきなり直接対決かよ……
いや、不安になんてなってねーからな?
ただ、面倒だなーって思っただけ。
別に勝負してもいいんだ。
暴力的なほうで。
それでも勝つ自信はあるから。
でも、『怪盗乱魔』がそんなことしたらなんか違うだろ。
……あ、そっか。
もし、ケンカふっかけられたら、避けるだけ。
そんで、逃げればいいんだ。
あーでも、やっぱ悪く言われっかなぁ……
すると、空海が焦ったように言ってきた。
『おい、乱魔!なにやってんだ! とっくに時間になってんぞ』
はぁ!?
俺は腕時計を見た。
10時01分。
俺が予告したのは10時。
1分過ぎた……
あー、くそ!
あれこれ考えんのはやめだ!
まずは俺の邪魔するやつの顔を拝んでやらぁ!