うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「僕が勝手に君のに入れただけ」

「え、いつ?」

「呑んでるとき。

 君がよそ向いてしゃべってるとき。
 あ、でも、スマホ借りるねー、とは言ったよ。

 君は、他の人としゃべりながら、陽気に、うんーっと言ってきたけどね」

 ……言いそうだ。

 しかし、その行為、イケメン様でなかったら、犯罪ですよ、と思った。

 この人、いつもこんなことやってんのかな、と思う。

 でも、やられても女子、喜ぶだけだろうけどな。

 未里とかだと、嬉しいサプライズだと大喜びだろう。

 人妻なのに……。

 ま、奴の場合、旦那の前で、旦那に自慢しながら、あっけらかんと、神田に電話をかけそうだが。

「君の番号も教えてもらったよ」
と神田は自分のスマホを見せて微笑む。

 そんな素敵な笑顔で……。

 やっぱり、犯罪ですよ、と思った。

「で?」
「は?」

「なにか気になることがあって、わざわざかけて来たんじゃないの?
 すぐに呼び出しにも応じてきたし」
と言ってくる。