「おはよう。
 了弥、相楽さん」

 げ。
 坂上くん。

 了弥と二人で会社のロビーに入った途端、同期の坂上と出会った。

 私を処女だと言い切った。
 見たらわかるという坂上だ。

 会うまいと思っていたのに、と思いながら、
「お、おはよう」
と言う。

 了弥は普通に坂上に挨拶し、受付に居た本部長に、なにか仕事の話をしに行ってしまった。

 なんとなくそっちを目で追っていると、坂上が言う。

「あーあ。
 もう相楽さんも売れちゃったかー」

 ひいっ、やっぱり怖いよ、この人、と思っていると、
「でも、結構時間かかったよね?
 ずっと仲良かったのに。

 この間くらいからだよね?」
と言う。

「えっ。
 なんで?」

「いや、僕見たらわかるから」
と坂上は笙が言ってた通りのことを言う。

「ボディタッチの具合で。
 距離感って言うの?」

「は……早く坂上くんに会えばよかった」
ともらすと、は? と言われる。