うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「両親二人がだよ。
 阿呆みたいに、離婚したり結婚したり繰り返してるんだよ。

 今は、再婚して、またしばらくはラブラブだ」

 意味がわからん、と了弥は眉をひそめている。

「ど、どっちか気が短いとか?」
と訊くと、

「主にお袋がな。
 俺と妹はいつも、ビクビクしてたよ。

 また離婚して出てくんじゃないかって。

 今度は、どっちについてく? って訊くんだぞ?

 今度はって、なんだよっ!」
と今そこに母親が居るように、文句を言い始める。

 いや、私に言われてもな、と苦笑いしながらも、黙って聞いていた。

 ざっくりなのも気が短いのもお母さんからの遺伝か? と思う。

「でもまあ、了弥がそんな家庭を作らなきゃいいって話じゃん」
と言うと、上目遣いに、チラとこちらを見ながら、

「……うん、そうだな」
と言う。