ホテルに帰って
部屋の鍵を受け取るため
フロントによると
あたしの持ってる花束を見て
受付のお姉さんが
「そのバラ とても綺麗ですね」
ずっと花を眺めていた。


「そうなんです
知り合いのお店で頂いたんです!
あっ!これ!ここで飾ってくれません?」


「えっ?」と受付のお姉さん
そして「はぁ?」というのは征吾。


「こんな綺麗な花は
みんなに見てもらった方が幸せだと
思うので・・・
明日東京に持って帰っても
あたしの管理が悪かったら
すぐにダメになってしまうから」


「いえいえ せっかく頂いたのなら
ドライフラワーとかにして
飾ればいいんじゃないんですか?」


「そういうの得意じゃないんで
美しい間 皆さんに見て頂いた方が
ねっ!征吾」


「お前が好きにしたら?」


投げありな感じの征吾。


「彼の許可も出たので
どーぞ」


「いいんですか?
では」


花をお姉さんに手渡して
さっさと部屋へと帰った。


「先にシャワーするか?」


「ううん どーぞ先に」


「そう じゃあ」


なんとなく素っ気ない。


誕生日なのに
昨日の出来事が今日なら
思い出に残る誕生日に
なったかもしれないけど。。。


シャワーから出てきた征吾は
「疲れたからちょい横になるわ」と
ベットに転んで目を閉じたと
思うと すぐに寝息を立てていた。


そしてそのまま
朝まで起きなかったのだった。