「ジャンケンしよう」
部屋へ戻るといきなり言われた。
「えっ?何のジャンケン?」
「風呂に入る順番」
「あたしは後でいいので
先にどーぞ」
「そう???じゃあ」
主任は遠慮なく
カバンから着替えを取り出し
シャワー室へと向かって行った。
静かな部屋に
聞こえてくるシャワーの音。
それがまた緊張感を与える。
そこに美奈先輩から電話がかかって来た。
「どう?仲良くしてる?」
第一声がそれだ。
「仲良くはしてませんけど
まぁ 周りの友達は騙せてます」
「何それ!騙せてると言うことは
仲良くしてんじゃん」
「仲良くはないですけど
まぁ・・・」
「藤堂はそこにいる?」
「今シャワーですけど
上がったらかけ直すように
いいましょうか?」
「ううん 大した用じゃないからね
ただ円香のことを大切に扱ってね
って言おうと思っただけ あはは」
「何ですかそれ!」
「何でもなーい
じゃあーね」
美奈先輩は言いたいことを言うと
プチっと電話を切った。
何なのぉ。。。
大切に?ううん
チョクチョクと
軽く虐められてますけど。
あっ!それか!
あたしが美奈先輩によく言うから
「虐められる」って
だから 旅先ぐらいは
それをやめてやれと言うことか。
・・・なんて
考えていると征吾
はシャワー室から
出てきた。
その姿
カッコいい。
濡れ髪にタオルを首にかけ
ラフな格好。
漫画で言えばあたしの今の顔は
目がハートになっているだろう。



