レンタル彼氏



「いつから付き合ってるの?」
もちろんうちの両親も聞いた。


「1年半くらいです」
ここも主任の両親との
話を合わせるため 嘘をつく。


「もー!!!なにも言わないからぁ
こんなに素敵な人がいるなんて
夢にも思わなかったわ」


「それでですね
もう一つ報告が・・・」


「なんだい?もう何を言われても
驚かんぞ」と言ってた父だが。


「円香さんのお腹には
赤ちゃんがいるんです」


『『『えーーー!!!』』』
驚かんぞ!って言ってたくせに
またまた半端ない態度。


「すみません」


謝る主任に少し冷静になった父が
「謝らなくてもいいが
娘を幸せにしてくれるなら
何もいうことはないよ
何歳になっても娘は娘
親バカかも知れないけど
可愛い娘には変わらないんだ
そんな娘の笑顔を
消すようなことだけは許さないから
それを約束してくれるなら
こっちは何も言わないよ」
と言った。


初めて聞く父の気持ちに
涙が出た。


「はい 約束します
必ず幸せにしてみます」


という主任の言葉を受け
父はなぜか握手を求めた。


頼むぞと言うことなのか。


「お父さんは嬉しいよ
こんないい息子ができて
そして絶対お前たちの子供だから
可愛い子が生まれると思うぞ
一気に幸せが舞い降りたよ」


大袈裟すぎる!とそこは
みんなで大笑い。


とてもいい報告になった。